2020年7月15日読了時間: 3分読んだ本ディスタンスが揺らいでいる:人との適正距離を問う『フライデー・ブラック』2020年4月に初めての緊急事態宣言が発令され、家に篭らざるを得なくなった。それを機に意図的にやったのは「人と距離を取る」ことだった。物理的に人との「密」を避けなくてはならなくなったということもあるけれど、精神的にも人との「密」を避けた。そうすることで、物理的な「密」も自ず...
2020年7月8日読了時間: 3分読んだ本インテレクチュアルかつ「実」がある:良書の3条件を満たす2020年上半期マイベスト『アロハで猟師、はじめました』2020年上半期のマイベスト。 かっこいい本だ。私が書店員なら、「思想」の棚に置きたい。「アウトドア」棚はサブ扱いにするかな。「狩猟」のイロハを語ったルポかと思ってしまいそうだけれど、そんなありがちな体験記ではないからだ。本書において、著者にとっての「狩猟」とは材料みたいな...
2020年5月11日読了時間: 1分読んだ本三島由紀夫 著『三島由紀夫全集18:春の雪/奔馬』コロナ禍の#ブックカバーチャレンジ。次には回さず自己完結で。 全集より『豊饒の海』四部作を。日本語表現でかなう圧倒的美。 藤はいつも花ざかりで、女たちは日ざしを避けて、藤棚の下に集うた。すると、いつもよりひとしお念入りにお化粧した女たちの白い顔には、花の藤色の影が、優美な死...
2020年5月10日読了時間: 1分読んだ本アゴタ・クリストフ 著/堀 茂樹 訳『文盲』コロナ禍の「ブックカバーチャレンジ」6日目。次には回さず自己完結で。 『悪童日記』が日本で刊行されて以来、新刊が出るのをいつも楽しみに待っていた。『文盲』はハンガリー動乱で亡命したアゴタが、やがて本人が言うところの「敵語」であるフランス語で書く作家になっていく経緯が綴られ...
2020年5月9日読了時間: 1分読んだ本ドストエフスキー 著/米川正夫 訳『悪霊』コロナ禍の「ブックカバーチャレンジ」5日目。次には回さず自己完結で。 コロナ自粛を活用して五大長編を読み直している。ドストエフスキーをもういちどまとめて読むなんて、おばあちゃんになってからしかできないことだと思っていたから、コロナで珍しく良かったこと。五大...