2022年1月17日読了時間: 4分読んだ本#001 村井理子著『家族』※ 発売前だし、ネタバレしないよう書いたつもり 先週、ネックレスを一本、駄目にしてしまいました。つらいです。 村井理子著『家族』に描かれた、村井さんのご家族のややこしさは、絡まってしまったネックレスの鎖みたいだと思った。めっちゃくちゃ華奢な鎖のやつ。鎖は繊細なほど、しつこく...
2022年1月7日読了時間: 5分読んだ本這い上がるために書に籠る:避難所へのガイド『千年の読書』2021年の大晦日だった。石川さゆりさんは、天城を越えるのか、あるいはこごえそうな鷗を見つめ泣くのか。知らないまま年を越すことになりそうだ。とはいえ、「今井」の蕎麦をすする頃には昼間の酒は抜け、頭は冴えていた。酒を抜いて新年を迎えることができるという誇らしさで、万能感に支配...
2020年8月2日読了時間: 2分読んだ本佐々木ののか 著『愛と家族を探して』 「はじめに」にいきなり、こうある。 誰かのために書いたわけではない。こんな言い方が許されるのであれば、取材対象者の方々のご協力を得ながら、私が私のために書いたものだ。 正直で強い人だと好感を持った。否、散々、自身のあり方、生き方に悩み、恋に傷ついた経緯...
2020年7月29日読了時間: 4分読んだ本人々が呆気なく事切れる:河南省エイズ村の魔術的リアリズム『丁庄の夢』312ページ、二段組、3,200円である。高いけど、文字量を鑑みればコスパはいい。しかし、読み通させないオーラがバリバリ出てる。だからある程度責任を持って言いたいと思う。 買って損はなし。 特にラテンアメリカ文学ファンの人は。 むしろ買ってください(中国文学だけれども)。...
2020年7月19日読了時間: 2分読んだ本サディスチックが突き抜ける:殺しの緊張の緩和『おれの中の殺し屋』痺れる。舞台はテキサスの田舎町。涼しい顔で殺りまくる保安官助手ルー・フォードのモノローグで展開する。サディストでサイコパス。しかし外ヅラはむしろよく、饒舌でとぼけている。多数、人が死ぬんだが、なぜかカラッとしている。日本のクライムなら、似た殺人鬼像を創ってももっとウェットな...